はじめに
事業再構築補助金は補助される経費も幅広く、様々な活用の仕方が存在します。
今年度、最も注目を集めた補助金の1つですが、直近の採択率は46%と容易に採択されるものではありません。
そして、その採択を分ける重要な役割を果たすのが事業計画書です。しかも事業計画書の枚数は決められています。
そうなると、決められた枚数の中で多くの審査項目を満たすためには、どこに重点を置いて説明するのかというのは非常に重要なポイントとなります。
そこで本日は、事業再構築補助金の活用事例をご紹介するとともに、採択される事業計画書作成のポイントも併せてご紹介します。
前回の飲食店事例をご覧になっていない方はそちらも是非ご覧ください。→飲食店事例①
事業再構築補助金の概要については →こちら
カフェを経営するA社の場合
観光地にてカフェを経営するB社は、名物のパフェが人気で若い女性を中心に連日賑わっていました。
しかし、コロナの影響で観光客が大幅に減少し、B社の売上も大幅に減少しました。
そこでB社は、事業再構築を図るべく巣ごもり需要を捉えたゼリーのEC販売を計画しました。
【取り組み内容】
①近隣店舗と連携しアンテナショップを出店する。
近隣店舗とのネットワークを活かしEC販売の販売促進にも効果的なSNS拡散を狙った写真映えするアンテナショップを出店する。
②EC販売用の新商品開発を行う
③ECサイトの制作
④製品保管用大型冷蔵庫・冷凍庫の購入
かかった費用
アンテナショップ改装費 880万円
大型冷蔵庫・冷凍庫 240万円
ECサイト・広告宣伝費 380万円
合計 1500万円
補助額 1000万円
自己負担額 500万円
☛ポイント① 長年観光地で出店してきたB社の強みである近隣店舗とのネットワークを活用している。
☛ポイント② 長年観光地に精通してきたB社の強みであるお土産に関する企画力を活用している。
☛ポイント③ コロナ禍で家庭内消費需要が高まっているという機会を捉えている。
アドバイス
このように事業計画書では、自社の強み・弱み・外部環境などを客観的に把握し、補助事業を行う必要性や実現可能性をしっかり説明しましょう。
飲食店を経営するB社の場合
B社は創作料理を提供する落ち着いた雰囲気の飲食店で、日本酒やワインを多く取り揃えお酒好きな顧客で賑わっていました。しかし、コロナ禍で客足は途絶え売上は大きく減少しました。そこで、ワインの知識やそれぞれに合う料理の提供が可能であるという強みを生かして、ワインbarの新設とEC販売事業を計画しました。
【取組み内容】
①ワインbarを新設
②ECサイトの構築
③アルバイトの新規雇用
かかった費用
新店舗の改装費用 1000万円
ECサイトの構築 200万円
合計 1200万円
補助額 800万円
自己負担 400万円
☞ポイント ①強みであるワインの知識やワインに合う料理の提供を活用した事業である
☞ポイント ②酒類のEC販売は、コロナ禍で拡大した宅飲み需要を捉えたものである
☞ポイント コロナ禍で飲食店を継続するための施策として、SNS広告や検索広告を検討する等コロナ禍の脅威に備えている。
アドバイス
B社のようにコロナ禍の影響を受けやすい飲食業界で新店舗を展開する計画である場合は特に、コロナ禍の影響を受けつつも事業を継続していくための対策を事業計画に明記し、脅威に備えた緻密な計画であることをアピールすると良いでしょう。
まとめ
このように店舗改装などの建物改修工事費用を賄える補助金は多くはありません。
その他の補助対象も、広告宣伝費や設備投資など、多くの利用者にとって活用しやすいものになります。
現在公募期間である第7次の申請締切りは、令和4年9月30日ですので、
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